40.J Dilla - Dounts
2006/US/Stones Throw
Genre:Instrumental HIP-HOP
39.Neurosis - A Sun That Never Sets
2001/US/Relapse
Genre:Post-Metal
38.Kendrick Lamar - To Pimp a Butterfly
2015/US/Top Dawg/Aftermath
Genre:Jazz Rap
37.The Peter Brötzmann Octet - Machine Gun
1968/German/FMP
Genre:Free-Jazz
36.Flying Lotus - Cosmogramma
2010/US/Warp
Genre:Experimental HIP-HOP/Electronica
ヒップホップ~エレクトロニカ~現代ジャズを横断する天才プロデューサー/DJにして、名門レーベルBrainfeederの主宰者。伝説のサックス奏者である叔父のJohn Coltraneに負けず劣らず、音楽シーン全体を揺るがし続けている男の3rd。
傑作揃いの彼のディスコグラフィから一枚を選ぶのはやはり非常に困難。特に僕は本作と2nd『Los Angeles』のどちらを挙げるべきかをギリギリまで悩んだ。
35.Leprous - Pitfalls
2019/Norway/InsideOut Music
Genre:Alternative-Rock/Progressive-Rock/Gothic-Rock
ノルウェー出身5人組バンドの6th。彼等は結成時こそ芸術志向&退廃的なメタル(プログレッシヴ・メタル/ゴシック・メタル)系の音楽性であったが、活動の中で多様な電子音楽要素やUSインディーロックに通じるポップセンスを貪欲に吸収し続け、現在はメタルシーンから逸脱したジャンルレスな存在として注目を集めている。
本作では「オペラティックなボーカルと寒々しい音遣いが特徴の歌モノを、北欧系メタル・近年のクラブミュージックの音響感を融合させたサウンド・プロダクションで武装した」かのようなスタイルを提示。音数は絞られており決して派手さは無いが、響きの旨みによって一瞬で説き伏せられてしまう。BABYMETAL・Bring Me The Horizon・FEVER 333・Northlane等と共に、2019年以降のメジャー路線メタル/ラウド・ロックの在るべき姿を体現した一枚だ。
34.DIR EN GREY - DUM SPIRO SPERO
2011/Japan/Firewall DIV.
Genre:V-ROCK/Progressive-Metal/Avant-garde-Metal
ヴィジュアル系出身プログレッシヴ・メタルバンドの8th。(現在の彼らはV系に属するか否かという議論はさておき。)
7th『UROBOROS』で開花させたプログレッシブ・メタル路線を更に深化。キャリア史上最も濃密でマニアックなアルバムだ。京(Vo.)の多重人格的なボーカルパフォーマンスに磨きがかかり、バンドサウンドはデスラッシュ/ドゥーム/ポストメタル等からの影響を色濃く受け、極悪&複雑化。泥濘んだ沼のようなスローパート、ノコギリ状のギターリフを掻き鳴らす疾走パート、京(Vo.)の美しいハイトーンボーカルが響くメロディアスなパートが万華鏡のように切り替わり、抽象的な暗黒世界を構築していく。キャッチーな曲は3曲目『DIFFERENT SENSE』・12曲目『激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇』のみという徹底的にストイックなアルバム構成も相まって、一聴ではなかなか掴み難いが、聴き慣れるまでリピートする価値は大きいハズ。
日本のヘヴィメタル&ヴィジュアル系シーンが誇る、最凶の“スルメ盤”だ。
33.Kayo Dot - Hubardo
2013/US/Ice Level
Genre:Avant-garde-Metal/Post-Rock
Tody Driver率いるエクスペリメンタルロック/メタルバンドの6th。ジャズ/現代音楽/メタル/ポストロック/サイケ等を闇鍋にした異形の音楽性であるために、様々な解釈が為されている一枚。僕は「RIO系プログレ/Jorn Zorn/アバンギャルド・メタル/ポストロック/ポストメタル以降の音楽観で鳴らされた“第3期King Crimson”」として聴いています。
32.Aphex Twin - Selected Ambient Works Volume II
1994/UK/Warp
Genre:Ambient/IDM
31.Metallica - Master of Puppets
1986/US/Elektra
Genre:Thrash-Metal
全メタルヘッズの通過儀礼。1曲目『Battery』のイントロを聴くためだけでも手に取る価値は十分。アレよりカッコいいイントロ、この世に存在するのか?
30.Radiohead - KID A
2000/UK/Parlophone/Capitol
Genre:Post-Rock/Electronica
イギリス出身5人組ロックバンドの4th。バンドサウンドを解体し、電子音楽(ポストロック/IDM)に傾倒したことで知られる彼等の代表作。リリース当時は「難解」「前衛的」と各メディアから評されていたが、それも遠い昔の話。アンビエント要素を使用するのが当たり前となった2010年代邦/洋ポップスシーンの価値観で聴くと、ギミックよりもメロウなメロディーに耳が傾く。
29.Soft Machine - Third
1970/UK/CNS/Columbia
Genre:Jazz-Rock
28.BURIAL - Untrue
2007/UK/Hyperdub
Genre:Dub-step
27.Jan Jelibek - Looping-finding-jazz-records
2002/German/faitiche
Genre:Click-House
アルバム名通り、60年代~70年代のジャズのレコードから掻き集めた無数のサンプリングで構築された、クリックハウスの金字塔的作品。
基本的にはマイナスの美学を追求するミニマル志向の電子音楽なのだが、僅かにズレたリズムや微細なノイズ等の使い方が実に巧みで、まるで生きているかのような躍動感に溢れている。僕は恥ずかしながら電子音楽全般を語れるほどは詳しくないのだが、今まで聴いたそういった系統の音楽の中で最も「暖かい」と感じさせられたアルバムだ。
聴く者もTPOも一切選ばない、良い意味でスッと耳に入ってくる音楽なので、本稿をお読みの方は今すぐに本作を再生していただきたいな。
26.Mike Oldfield - Tubular Bells 2003
2003/UK/Warner Music Spain
Genre:Progressive-Rock/New-Age
25.SikTh - The Trees Are Dead & Dried Out Wait for Something Wild
2003/UK/Unparalleled Carousel
Genre:Mathcore/Progressive-Metal
UKが誇る6人組変態カオティック・ハードコア集団の1st。
奇妙なうねりを生み出す変拍子グルーヴの上で、高い歌唱力を持つJustin Hill(Vo.)と多重人格的なスクリームの使い手であるMikee Goodman(Vo.)が息もつかせぬ掛け合いを見せつける。
並外れた演奏技術を駆使した不条理な展開の中に、独自のユーモアの効いたギミックがあちこちに仕掛けられているのも特徴。ニューメタル/正統派メタル/ジャズ/フュージョン/プログレ/NSHC等を融合させた実験性と、一曲をサラリと聴き切らせるポップ性を両立させた彼等の世界観は、Djent系をはじめとする現代のプログレッシヴ/テクニカル系メタルに多大なる影響を与えている。
00年代以降のメタルシーンにおいて最も重要なアルバムのひとつであるし、本作を聴いた後はあらゆるメタル/ラウドロックの聴こえ方が変わってくるハズ。
24.Gastr Del Sol - Upgrade & Afterlife
1996/US/Drag City
Genre:Post-Rock/Ambient
Jim O’RourkeとDavid Grubbsによる音響実験デュオによる4th。現在においては「ポスト・ロックの金字塔のひとつ」として語られる事の多い作品だが、リリース当時は「ポスト・ロック」という単語自体が存在しなかったために「アンビエント・テクノ・フォーク・アルバム」と称されたそう。アコースティックギター、ピアノ、Jim O’Rourke本人の歌声からなるノスタルジックな生音の響きと、ノイズの嵐とが不規則に絡み合い、透明感溢れるサウンドスケープを構築していく。それは安易な美醜の対比ではなく、2つのエネルギーが火花を上げながら渦を巻くような、強い生命感の宿った音だ。
どうか今作をお聴きになる際はヘッドホン・イヤホンではなくスピーカーで。そして、「音楽を聴く」というより「微細なノイズの粒子を浴びるセラピー」とような感覚でどうぞ。
23.Tigran Hamasyan, - Atmosphères
2016/Armenia/ECM
Genre:Nu-Jazz/Ambient
現代ジャズ・シーンを牽引するアルメニア出身ピアニストのECM2枚目。今作はArve Henriksen(Tp.)・Eivind Aarset(Gt.)・Jan Bang(Electronics/Sampling)との4人編成。
22.Converge - Jane Doe
2001/US/Equal Vision
Genre:Metalic-Hardcore/Mathcore
「カオティック・ハードコア」「マスコア」というジャンルの象徴的アルバム。緻密でヒステリックな轟音の中に文学的/映画的なコンセプトを落とし込んだ功績は計り知れない。
また、Jacob Bannon(Vo.)はグラフィックデザイナーとしても著名な人物であり、自身のバンドを含めた様々なアーティストのアルバムアートワークを手掛けている。僕の敬愛するデザイナーの一人なので、是非彼の作品もチェックしていただきたい。
21.Emperor - Prometheus: The Discipline of Fire & Demise
2001/Norway/Cendlelight
Genre:Symphonic-Black-Metal/Progressive-Metal
伝説的ブラックメタルバンドの4thにして、Ihsahnが主導で制作したラストアルバム。本作では初期の衝動性は最早見る影もなく、全編においてアーティスティックな感性が存分に発揮されている。プログレッシヴな展開に乗せて、荘厳なシンフォニーと激烈なバンドサウンドが鍔迫り合いを繰り広げる姿は、ある種の神聖さすら感じさせる。(事実、本作は神話に基づくストーリーが掲げられたコンセプトアルバムだ。)「ロック×シンフォニー」という音楽的テーマの一つの到達点とも言える名盤だ。