100. Holding Absence - The Greatest Mistake of My Life
Release: 2021
Origin: UK
Label: SharpTone
Genre: Post-Hardcore/Emo/Shoegazer
SlowdiveとUnderoathの運命的な邂逅。彼等はUKロックの伝統ともいえる空間意識の高いギタープレイをUSポスト・ハードコア/エモの陽性のバイブスに乗せて天高く解き放つ。儚く厭世的なオーラを纏っていた1st『Holding Absence』から随分と開けた質感へと変貌を遂げ、それにより繊細なメロディーと豪胆で肉体的なバンド・アンサンブルのコントラストがより強調されることに。
この4人は音の粒子で外界をシャット・アウトしながらも歌声を力強く伸ばそうと試みる。俯きながらも精一杯胸を張ってみせる。己の深刻な自己矛盾を肯定してしまっているかのような彼等の音楽が、何処までも崇高に思えるのは僕だけかい?
99. ROTH BART BARON - 無限のHAKU
Release: 2021
Origin: Japan
Label: SPACE SHOWER MUSIC
Genre: Indie-Folk
彼等の作品はどれも愛聴していますが、本作は過去最高に好み。理由はハッキリしていて、要はブラックミュージック的フィーリングが仄かに遇らわれているから。三船雅也(Gt./Vo.)の歌詞世界は今回も素晴らしい。現代社会に潜む些細な不和をお伽話に変換してしまう。
98. Ambrose Akinmusire - Origami Harvest
Release: 2018
Origin: US
Label: Blue Note
Genre: Jazz/HIP-HOP
『Kendrick Lamar - To Pimp A Butterfly』が拓いた地平に続く者は今、ここに。これはただ小手先の優れたプログレッシヴな現代ジャズじゃあない。ジャズ/ヒップホップ/室内楽の交点からアメリカ大陸の血塗られた歴史と犠牲者達の姿を映写する″告発″のレコード。このアルバムがBlue Noteからリリースされたという事実も極めて示唆的だ。
この作品を流していると、音楽評論家:グリル・マーカスがSly And The Family Stoneを評した言葉を思い出すよ。「彼等の音楽が複雑だったのは、″自由″というものが複雑だからだ。」
97. Death - The Sound of Perseverance
Release: 1998
Origin: US
Label: Nuclear Blast
Genre: Technical-Death-Metal
「Death」というシンプル過ぎるバンド名!ヘヴィメタルを好まない方からすればおバカな印象を受けるかもしれないが、とんでもない。このバンドはデスメタルというジャンルの黎明期を支え、さらにはジャズ的フィーリングを注入することで、同ジャンルをより繊細でメロディアスな方向に発展させた偉大な功労者だ。各リスナーの趣味の差はあれど、ヘヴィメタルという音楽ジャンルを敬愛する者であれば、誰もが彼等とChuck Schuldiner (Gt./Vo.)という男を畏れているはず。
本作は7thアルバムにしてバンドの最終作。1st~3rdのダーティーな疾走感や4th~5thの達人同士が主張し合う混濁感もここには無い。とりわけ耳に残るのはChuck Schuldiner (Gt./Vo.)の紡ぐ妖しいギターメロディとハイピッチのスクリーム。ミドルテンポ主体で音数を絞った構成がかえって恐ろしい。デスメタルの父は最後にこんなにも抑制の効いたエクストリーム・ミュージックの在り方を提示してみせた。
96. Arca - kick iiii
Release: 2021
Origin: Venezuela
Label: XL Recordings
Genre: Experimental
95. Gigi Masin - Talk To The Sea
Release: 2014
Origin: Italy
Label: Music from Memory
Genre: Ambient/New-Age
94. I-DeA Present SEEDA - GREEN
Release: 2005
Origin: Japan
Label: FLASH SOUNDS INC/P-VINE
Genre: HIP-HOP
SEEDAはどの時期にも失速することなく傑作を発表し続けているが、最近は初期の高速フローが特に好み。一聴しただけでは歌詞を認識するのは困難だが、じっくり聴き込んでみるとセンチメンタルな言葉選びが胸に突き刺さる。
93. Jamison Isaak - Spring Patterns 2
Release: 2019
Origin: Canada
Label: Flora
Genre: Ambient
92. Eric Dolphy - Out to Lunch!
Release: 1964
Origin: US
Label: Blue Note
Genre: Free-Jazz
91. Sam Gendel - Fresh Bread
Release: 2021
Origin: US
Label: Leaving
Genre: Jazz/Ambient
90. Scott Walker - Scott 3
Release: 1969
Origin: US
Label: Philips/Fontana
Genre: Art-Pop/Baroque-Pop
英国と日本で人気を博したアイドル・バンドのメンバーから、孤高の前衛芸術家へ。音楽シーンの表と裏を共に制した男の3rdアルバム。ソロシンガーとしてのアーティスト像を確立した傑作『Scott 4』の足掛かりとなる、過渡期の一作だ。
しかし、本作時点で既に後のスタイルの原型は仕上がっており、荘厳なストリングスと嫋やか歌声によってリスナーを深淵へと招いてくれる。
89. András Schiff - Franz Schubert: Works for Piano
Release: 2015
Origin: UK
Label: ECM
Genre: Classical
88. 福盛進也トリオ - For 2 Akis
Release: 2016
Origin: Japan
Label: ECM
Genre: Jazz
87. Max Richter - Sleep
Release: 2015
Origin: German
Label: Deutsche Grammophon
Genre: Ambient/Neo-Classical
タイトルに従って就寝時によく再生しているのだけれど、毎度頭から聴こうとすると開始20分辺りでバッチリ寝付いてしまう。本作に限っては全編通して聴く日が来るとは思えない。
86. Colin Vallon - Le Vent
Release: 2014
Origin: Switzerland
Label: ECM
Genre: Jazz
85. José James - Yesterday I Had the Blues(The Music of Billie Holiday)
Release: 2015
Origin: US
Label: Blue Note
Genre: Jazz/Neo-Soul
84. Void Of Vision - Hyperdaze(Redux)
Release: 2021
Origin: Australia
Label: UNFD
Genre: Nu-Metalcore
ニューメタルコアというジャンル名から想像の付くとおり、鈍く分厚い重低音の塊をひたすら振り回す質実剛健なサウンドだ。しかし、90~00年代のニューメタル・オリジネイターともやや異なる、引き締まったバンド・アンサンブルと透明感のあるメロディセンスにより楽曲を綺麗に纏めており、優等生的な印象すら抱かせる。2019年にリリースされた通常版『Hyperdaze』の時点でもちろん作品としてのクオリティは折り紙つきであったが、このRedux版は更なる意欲作。レーベルメイトを中心とする様々な客演を迎え、アルバムの一貫性を損なわないまま拡がりを増しているのだ。ボーカルパートを入れ替えることで作品のレベルをもう一段階引き上げるヒップホップのような方法論は、メタル/ハードコアなどのジャンルでも可能なのか。
83. BBHF - BBHF1 -南下する青年-
Release: 2020
Origin: Japan
Label: Beacon LABEL
Genre: Indie-Rock/Alternative-Rock
82. HATTORI Takashi - NOISE
Release: 2021
Origin: Japan
Label: (self-released)
Genre: Electronic
Release: 1995
Origin: US
Label: Loud/RCA
Genre: HIP-HOP
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