カヤマのブログ

カヤマ・音楽アルバム100選(ver.3.0) 【80位〜61位】

80. The Doors - Strange Days

Strange Days

Strange Days

  • ドアーズ
  • ロック
  • ¥1935

Release: 1967

Origin: US

Label: Elektra

Genre: Psychedelic-Rock

最高の2ndアルバム。1stの頃の初期衝動やキャッチー性が抑えられたおかげで、得体の知れないサイケ感がより強調され、結果的によりおっかない音像へと進化を遂げている。やけに能天気なキーボードのフレーズを聴いていると、段々と洗脳されてしまいそうだ。

 

79. MAGMA - Mëkanïk Dëstruktïẁ Kömmandöh

Release: 1973

Origin: France

Label: Vertigo/A&M

Genre: Progressive-Rock/Zeuhl

フランス出身プログレッシヴ・ロックバンドの3rdにして、フレンチ・プログレを代表する怪作。ジャズ・ロック/民族音楽/オペラ/ミニマル・ミュージックなどの雑多な音楽要素を架空言語コバイア語」の力で繋ぎ止めた、壮大な宇宙絵巻。聴き始めた瞬間こそ異様な音像に腰を抜かしてしまうのだが、儀式の如く執拗に反復されるコーラスワークを耳にしていると、いつの間にか「自分もこの世界の一員かも知れない!」と思えてくる。本作は聴き慣れてくると途端に楽しくなってくる、ダンス・ミュージック的な快楽が秘められた作品なのだ。本作をお聴きの際はリズム・セクションの太いうねりに身を任せつつ、コバイア星人の一員となる心意気で再生してほしい。

 

78. American Football - American Football

Release: 1999

Origin: US

Label: Polyvinyl

Genre: Emo/Post-Rock

ギターがひたすらにノスタルジックなアルペジオを奏でてくれる40分間。反復の多い曲構成と、音の隙間を活かし切った素朴なバンドサウンドのおかげで、本作を再生していると周囲の時間の流れが遅くなったように感じる。また、最後の曲『The One With the Wurlitzer』から1曲目『Never Meant』への繋がりが自然なため、リピート再生にも適しているのもポイント。本作を部屋で一日中ダラダラ再生し続けるのが非常に心地良いのだ。

 

77. Faust - Faust

f:id:KayamahMusic:20201229174509j:image

Release: 1971

Origin: German

Label: Polydor

Genre: Kraut-Rock/Progressive-Rock

明確な意味が込められているのか、どれとも単なる悪戯か?ポップ・ミュージックとしてやけに形が整った、センス溢れるサウンド・コラージュを楽しめる一枚。1971年の時点でこの完成度に辿り着いているのに驚く。

 

76. gibkiy gibkiy gibkiy - 不条理種劇

Fujourishugeki

Fujourishugeki

  • gibkiy gibkiy gibkiy
  • ロック
  • ¥2241

Release: 2016

Origin: Japan

Label: praying mantis

Genre: V-ROCK/Gothic-Rock

Vo.kazuma(ex:Merry Go Round/ex:Smells)

Gt.aie(the god and death stars/ex:deadman/ex:the studs/ex:KEEL etc...)

Ba.kazu(ex:蜉蝣)

Dr.sakura(ex:L’Arc~en~Ciel/ex:SONS OF ALL PUSSYS/ex:Rayflower/ex:Creature Creature

以上のヴィジュアル系出身ベテランプレイヤー4人で構成されたスーパーバンドによる1stアルバム。

かの昔、80年代ロックの過激な側面(ゴシック・ロック/ニューウェーヴ/ハードコア ・パンク/ヘヴィメタル等)を闇鍋にしたスタイルのヴィジュアル系バンドは「名古屋系」と呼ばれていたが、本作はその系譜の最終進化系+αとも言える音楽性だ。

本作の収録曲のほとんどは、2人組即興演奏プロジェクトhighfashionparalyze(Vo.kazuma/Gt.aie)で発表済みの楽曲にリズム隊を加えたリメイクである。Gt.aieが不協和音まみれのフレーズを掻き鳴らし、Vo.kazumaが呪詛の如き低音ボーカルを吐き散らし、Ba.kazu・Dr.sakuraによるリズム・セクションが演奏をロック・バンド然とした形にまとめ上げる……。そうした過程を経て出来上がった楽曲は、ゴシック・ロック/ハードコア ・パンク/グランジ/ブラックメタル/マスロック/ジャパノイズ等、あらゆるアングラなロックジャンルの要素を内包しつつ、決してどれにも属すことのない、非常に多面的なサウンドへと仕上がっている。

 

75. 若杉弘, 東京都交響楽団 - 武満徹:作品集 ノヴェンバー・ステップス、ヴィジョンズ、他

Release: 1993

Origin: Japan

Label: DENON

Genre: Classical

 

74. SCARS - THE ALBUM

THE ALBUM

THE ALBUM

  • SCARS
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥2037

Release: 2006

Origin: Japan

Label: FLASH SOUNDS INC/P-VINE

Genre: HIP-HOP

神奈川県・川崎市を拠点とするヒップホップクルーの1stアルバム。ハスリング(大麻売買)に関する直接的な表現やクルー内のメンバーに向けたdisなどの衝撃的な歌詞トピック、各ラッパーの個性的なラップスタイル、I-DeA・SAC・BACHLOGICなどによる上質なトラックが話題を呼び、現在では日本語ラップ史における最重要作の一つとして数えられている一枚だ。

かつて、ギャングスタ・ラップのオリジネイターN.W.A.は自身のスタイルを「リアリティ・ラップ」と呼んでいたが、SCARSにもまさにその言葉が似合う。本作で描写されるストリートという名の閉鎖社会では、相互監視の息苦しさや飢えへの恐怖が常に付き纏い、時折口に出されるロマン溢れる言葉も無茶な強がりのように映る。

作中では「ダチと立ち続けたストリート」「この世界は俺らのモノ 誰にも邪魔させねぇ当然だろ?」「金のために夢を見てきた My Man」といった周囲への同胞意識と、「お前は俺のことを騙したと思ってる でも俺は既にお前の正体を知ってる」「此処じゃダチがダチじゃなくなる FAKEな仲間が最後敵になる」「今日の友も明日は敵 または明日の友も今日は敵」などの猜疑心を示した言葉、それらの相反する二つがごく自然に歌われる。こうした言葉選びから、当時のメンバー全員が「仲間は生活上で必要不可欠だが決して信用し切ってはいけない」という共通認識を持った上で行動を共にしていたことが分かるはずだ。

本作で描かれる出来事は非日常的な出来事ばかりだが、生活環境の全体像はまるで日本社会の縮図のようであり、だからこそ彼等の歌う切実な苦しみや喜びの歌詞が印象的に響く。本作はただ単に過激な内容を扱っているだけではなく、ストリートの生活で浮かび上がる人間の普遍的な性質を綴っているからこそ、歴史的名盤なのだ。

 

73. Yo La Tengo - I Can Hear the Heart Beating as One

Release: 1997

Origin: US

Label: Matador

Genre: Indie-Rock/Noise-Pop

サイケ/シューゲイザー/クラウト・ロック/音響派/フォークなどのエッセンスを器用に混ぜ合わせた、極上のヘニャヘニャロック。安定感のあるリズム・セクションとふわふわしたギターの対比を全16曲・60分以上に渡って繰り広げ続けるのだけれど、幅広い音楽要素を参照しているおかげで、全く中弛みしない。引き出しの多さに感服だ。

 

72. Herbie Hancock - Empyrean Isles

Release: 1964

Origin: Japan

Label: Warner Bros.

Genre: Jazz/Modal-Jazz

 

71. Sonny Rollins - Saxophone Colossus

Release: 1956

Origin: US

Label: Prestige

Genre: Jazz/Hard-bop

 

70. Fishmans - 空中キャンプ

Kuuchuu Camp

Kuuchuu Camp

Release: 1996

Origin: Japan

Label: Polydor

Genre: Dub/Dream-Pop

 

69. kZm - DISTORTION

Distortion

Distortion

  • kZm
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥2037

Release: 2020

Origin: Japan

Label: YENTOWN/bpm TOKYO

Genre: HIP-HOP/Emo-Rap/Alternative-Rock

YENTOWN所属中の日本・渋谷出身ラッパーによる2ndアルバム。彼は1st『DIMESNTION』の頃からヒップホップの枠に留まらない表現を意識していたようだが、本作では幅広い音楽性のトラックと豪華客演を揃え、さらにもう一段階上の段階へ到達している。

強烈なガバ系ナンバー『バグり (feat. MonyHorse)』から、軽やかなハウス系ナンバー『Give Me Your Something (feat. Daichi Yamamoto)』、ロックバラード『Yuki Nakajo』、果てはアニソンに通じるポジティブ・バイブスを持ったアンセム『TEENAGE VIBE (feat. Tohji)』まで、あらゆるジャンルを自由奔放にクロスオーバー。彼の貪欲な音楽探究心がそのまま魅力へと還元された痛快な一枚だ。

 

68. Scott Walker + Sunn O))) - Soused

Soused

Soused

Release: 2014

Origin: US

Label: 4AD

Genre: Experimental-Rock/Drone-Metal

 

67. Gavin Bryars - The Fifth Century

Gavin Bryars: The Fifth Century

Gavin Bryars: The Fifth Century

  • The Crossing, Donald Nally & PRISM Quartet
  • クラシック
  • ¥1630

Release: 2016

Origin: UK

Label: ECM

Genre: Classical

 

66. Wilco - Sky Blue Sky

Release: 2007

Origin: US

Label: Nonesuch

Genre: Alternative-Rock/Alternative-Country/Folk-Rock

アメリカ合衆国イリノイ州出身の6人組バンドの6thアルバム。2nd『Being There』〜5th『A Ghost Is Born』で追求していた音響的なアプローチは鳴りを潜め、ここではより一層深みを増したオーガニックなサウンドを体感出来る。

 

65. Cannonball Adderley - Somethin' Else

Release: 1958

Origin: US

Label: Blue Note

Genre: Jazz/Hard-bop

 

64. Steve Reich - Octet • Music For A Large Ensemble • Violin Phase

Release: 1980

Origin: US

Label: ECM

Genre: Classical/Minimalism

 

63. Converge - Jane Doe

Jane Doe

Jane Doe

  • Converge
  • メタル
  • ¥1528

Release: 2001

Origin: US

Label: Equal Vision

Genre: Hardcore-Punk/Metalcore/Mathcore

カオティック・ハードコア/マスコアというジャンルにおける最高のクラシック・アルバム。グラインドコア〜サザンロック〜ポストロック〜ノイズなどを鮮やかに横断するハイブリッドな轟音サウンドを文学的・映画的な構成力をもってまとめ上げた、非常にコンセプチュアルな一枚。『狂気』『トミー』『サージェント・ペパーズ』と同様に、冒頭から最後まで聴き通すことに最大の価値がある。

また、Jacob Bannon(Vo.)はグラフィックデザイナーとしても著名な人物であり、自身のバンドを含めた様々なアーティストのアルバムアートワークを手掛けている。僕の敬愛するデザイナーの一人なので、是非彼の作品もチェックしていただきたい。

 

62. hide - PSYENCE

Psyence

Psyence

  • hide
  • ロック
  • ¥2139

Release: 1998

Origin: Japan

Label: Universal

Genre: Glam-Rock/Industrial-Rock/J-POP

 

61. Spiritualized - Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space

Release: 1997

Origin: UK

Label: Dedicated

Genre: Space-Rock/Neo-Psychedelia

 

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